AI動画制作事例|PR動画をAI×クリエイティブツールで制作した方法(みまわり伝書鳩)
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AI動画制作は、企業のPR動画でも実用段階に入りつつあります。
本記事では「環境計測IoTプラットフォーム みまわり伝書鳩」のPR動画を題材に、Gemini・Midjourney・Veoなどを組み合わせた制作フローと、AIでできたこと/難しかった点を制作事例として解説します。
みまわり伝書鳩 15秒CM
クラウド雷検知・環境計測IoTプラットフォーム「みまわり伝書鳩」の紹介動画を、最新のAIツールを活用して制作。企画、構成、素材制作、編集、ナレーション収録まで、本来は多くの工数が必要な工程が、AIと人の役割分担によって効率的かつ高品質に進行したプロジェクトです。
現在の映像制作の現場では、尺(長さ)のコントロールができない、クオリティが安定しない(人物の変形、世界観のズレ、画質ムラなど)など、AI動画をそのまま実案件で使うのはまだ難しいのが実情です。
しかし一方で、AIをどう活かすかを考えるのは人間の思考です。AIは「手段」であり、その使い方を設計することがクリエイターの役割。だからこそ、企画・構成・素材制作などの前工程では、AIが大きな力になります。
本記事では、その制作プロセスを4つのステップに分けて紹介します。
1. AIで要点抽出、構成を磨き込みシナリオを設計
2. AIっぽさを抑えつつ、実写では難しいカットも実現
3. AIナレーションで自然な声質と安定した表現を実現
4. 編集ではPremiere Proの「リミックスツール」が大活躍
5. まとめ:AIと人の役割分担が、動画制作の新しいスタンダードに
1. AIで要点抽出、構成を磨き込みシナリオを設計
制作の初期段階では、関係者へのヒアリングを実施し、まず、何を求められているのかを正しく理解すること。現場の課題、伝えたいメッセージ、サービスの強みなど、資料だけでは得られない「リアルな声」を丁寧に聞き取り、動画の方向性を固めます。
その後、提案書・技術資料・ヒアリング内容から機密情報を除いたデータを NoteBookLM に読み込み、情報を整理します。NoteBookLM は、インターネット全体の膨大な情報を参照するのではなく、指定した資料だけに基づいて回答を生成するグラウンディングの手法を用いており、その結果、誤った情報を作り出すハルシネーションが大幅に抑えられるという強みがあります。
AIの要点抽出と人の理解を組み合わせることで、伝えるべき中核がより明確になります。
この段階で特に重要なのが、ヒアリング内容や届けたいポイントが構成案に正しく反映されているかを確認すること。
目的や届けたいポイントの軸が定まっていなければ、AIは方向違いの答えを返してしまいます。 AIは、与えられた意図の精度がそのままアウトプットの質に直結します。 AIの提案をそのまま採用するのではなく、
✔ ユーザーが理解しやすい流れになっているか
✔ 説明の重点がズレていないか
2-1. AIっぽさを抑えつつ、実写では難しいカットも実現
構成が固まった後は、動画用の画像素材をAIで生成していきます。学校のグラウンド、工事現場、農家、積乱雲など多様なビジュアルをAIで生成しました。
ミニチュア風で、AIっぽさを自然に抑えることで、AIの弱点を、演出として昇華し、違和感を抑えた高品質なビジュアルが作れるという考え方です。
✔ 質感が少しデフォルメされるため、AIの不自然さが自然に馴染む
✔ 実写とイラストの中間で、視認性が高く情報伝達に向いている
✔ キャラクターの等身が適度に調整され、AI崩壊が起きにくい
✔ ドローンが必要な俯瞰アングル
✔ 多人数キャスティングが必要なシーン
✔ 天候に左右される積乱雲・雷
✔ 高所・立入禁止エリアの設置イメージ
2-2. 同じ人物で、まったく違うシーンも作れる
AI生成のもう一つの大きな利点は、同じ登場人物で、一貫した世界観のまま複数のシーンを作れることです。
例えば、
✔ 空を見上げる先生
✔ 教室から空を見ている先生
従来は多くの撮影カットや衣装・ロケーション調整が必要でしたが、AIならキャラクターモデルを軸に複数の場面を統一して展開できます。
動画全体のストーリーに説得力が生まれ、資料・Web・動画で統一感のあるビジュアル運用が可能になります。
2-3. 従来の「写真組み合わせ素材」をAIを利用し、設置イメージをアップグレード
今回特に価値があったのは、従来は 製品写真を切り貼りして疑似的に作っていた設置イメージ を、AI生成に置き換えることで大幅にアップグレードできた点です。
これまでリアルな設置イメージを作ろうとすると、写真の組み合わせでは限界があり、本格的に作り込むには 3Dでモデリングするしかありませんでした。しかし3Dモデリングは時間もコストもかかり、簡易イメージ作成の範囲では現実的ではありません。そこで今回は AIを活用し、写真より自然で、3Dほど手間がかからない中間的な表現を実現。本物らしい設置イメージを生成できるようになりました。
✔ 視認性が高く
✔ 情報が整理されて見える
近年、SNSでは人物やキャラクター画像を、市販のフィギュアのようにリアル変換するAI技術が話題となっています。
この技術は、エンタメ用途にとどまらず、企業のプロモーションや製品説明でも非常に有効な手法 です。
今回の制作でも、このフィギュア化AIの表現手法を応用し、プロダクトを視覚的に理解しやすいイメージ生成に役立てました。
3. AIナレーションで自然な声質と安定した表現を実現
原稿をAI音声ツールに読み込ませるだけで、落ち着きと信頼感のあるナレーションが短時間で完成します。語尾や話速、間の取り方もある程度調整可能で、人間収録に迫る自然さを実現できます。
ただし、テレビCMなど、放送基準が求められる案件では、従来どおりMAスタジオで収録を行います。音声レベルや整音基準が厳密に定められているため、プロのMA環境が必須になります。 用途に応じてAIと人のナレーションを正しく使い分けることが重要です。Web動画では「原稿修正 → 再生成」が即座にできるため、柔軟な改善とスピード対応が可能でした。
4. 編集では Premiere Pro の「リミックスツール」が大活躍
ナレーションが完成したら、Adobe Premiere Proで編集を進めます。
中でも活用したのが 「リミックスツール」。
AI生成の静止画にはパン・ズームの動きを加え、映像にリズムと深みを与えました。クリエイティブな判断や細やかなニュアンス調整は、人の感性が非常に優れている領域です。
AIが効率化を担い、最終的な仕上げを人が整えることで、高品質な映像に仕上がりました。テロップや色味もブランドイメージに合わせて統一し、視認性と信頼感のある画面構成を実現しています。
5. まとめ:AIと人の役割分担が、動画制作の新しいスタンダードに
みまわり伝書鳩・環境計測IoT「気象・WBGT・雷検知・予報」(総合)
今回の制作では、
✔ NoteBookLMで要点整理
✔ ChatGPTで構成案を精緻化
✔ AI画像生成で実写の限界を突破
✔ 同じ人物で複数シーンを自在に生成
✔ フィギュア化AI技術のビジネス応用
✔ AIナレーションでコストとスピードを最適化
✔ CMはMAスタジオ、WebはAIと正しく使い分け
✔ リミックスツールで効率的に編集
✔ 最後は人のクリエイティブ判断で仕上げ
AIによる効率化と、人の感性による最終調整。このハイブリッド型こそ、これからの動画制作の新しいスタンダードになると感じています。
映像制作で最も重要なのは「どのような映像を作りたいのか、そして何のために作る必要があるのか」 という目的を見極めることです。この軸が定まってこそ、AIも人も正しい方向へ力を発揮できます。
AIは強力なツールですが、目的を設定し、構成を描き、作品の価値を判断するのは人の経験と発想です。AIをどう活かすかを決める思考こそが、クリエイターの最も重要な役割だと考えています。
今後もAIを積極的に取り入れながら、人ならではの判断と創造力を活かし、よりわかりやすく魅力的なコンテンツ制作に挑戦していきます。
環境計測 IoTプラットフォーム みまわり伝書鳩とは
環境計測 IoTプラットフォーム みまわり伝書鳩
クラウド型サービス「みまわり伝書鳩 雷検知・予報サービス」は、現地に設置する雷検知センサーと気象庁雷予報データを活用し、学校単位でのリアルタイム監視と確実な避難判断を支援します。さらに、温湿度・WBGTによる熱中症アラートとも連携し、教育現場の「命を守るIT対策」をトータルでサポートします。
雷センサーで半径40kmの雷を高精度に検知
気象庁の雷予報ータと連携して最大60分先までの予報を提供
雷センサーで半径40kmの雷を高精度に検知し、気象庁の雷予報ータと連携して最大60分先までの予報を提供します。
クラウド上にデータを集約し、学校現場の「判断の遅れ」を防ぎ、的確な避難行動を支援します。
✔ 雷予報リードタイム:最大60分先
✔ 表示:パソコン/大型ディスプレイ/スマートフォン/積層信号灯/LED表示機
✔ 通知:メール/LINE(2026年4月実装予定)
✔ 熱中症対策:温湿度・WBGTによる熱中症アラートと連携
✔ 管理:クラウド一括監視
✔ 導入:低コスト・簡単設置で大規模工事不要
学校には避雷針や、いわゆる雷中和器(電荷中和型避雷針)などの設備が設置されることがありますが、これらは建物を落雷被害から守るための対策です。児童・生徒を守るためには、雷や暑熱の危険をいち早く察知し、避難や活動中止の判断を迅速に行うことが何より重要です。
<みまわり伝書鳩 問合せ先>
東京アプリケーションシステム株式会社
・本社
〒950-0088 新潟県新潟市中央区万代三丁目1番1号 新潟日報メディアシップ11階
・東京支社
〒135-0061 東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア9F
AI生成における著作権と利用上の注意点
AIで生成した画像や映像は、著作権の扱いがサービスや国によって異なる点に注意が必要です。
MidjourneyやGemini、Nano Banana、Veoなどは、商用利用が可能な範囲を明示していますが、
利用には各サービスの利用規約・ライセンス条件を確認することが重要です。
特に以下の点には配慮が必要です。
・他者のキャラクターやロゴなど、既存の著作物をAIに学習させた生成物の使用には注意する。
・公的キャラクターや地域マスコットなどを使用する場合は、権利者(自治体・企業など)の許諾を得る。
・AI生成物を「完全な自作物」として販売・配信する場合は、クレジット表記や免責文を添えることが望ましい。
AIツールは制作を強力に支援する一方で、法的な位置づけはまだ発展途上です。
クリエイティブ活用の際には、表現の自由と権利保護のバランスを意識することが今後ますます重要になります。
免責事項
本ページの内容は、AI生成技術の可能性を探るテスト的な制作過程の紹介を目的としたものです。 ここで紹介している手法や結果は、あくまで実験的なものであり、 実際の制作結果や再現性を保証するものではありません。 サービス仕様やAIの挙動は日々変化しているため、実務で利用する際は、 必ず最新の動作確認および利用条件をご確認ください。
